はわゆ蔵書によれば、

「栄螺(さざえ、又は「さざい」とも)」を、食材紹介した資料が、全く無く。(^▽^;)
・・・その代わり、調理法(!)「壺焼き、又は壺煎り(つぼいり)とも」を紹介する際には、絵柄がサザエ★
15.02.02-149・・・さざえの代表的な調理法というと、どうもこの・・・壺焼きのようです。

「ねんきらレシピ」でもご紹介をしている「壺焼き」ですが、さざえなどの巻貝の肉を殻ごと焼く方法と。
殻から肉を取り出して薄く切って別に具(銀杏や芹、蒲鉾なんか)を加えたらまた貝殻に戻して煮汁をかけて焼くモノと2種類あるそう。

サザエは産卵前が美味しく、雛祭りの頃が、もっとも味が良いのだとも★
三代将軍・家光の頃に出版された「料理物語」という、食材と当時の調理法を紹介した書物にも紹介されているくらい、さざえは、日本には馴染深い食べ物のようです。

さざえは、写真を見ればわかりますが、身の部分に「蓋」がありますよね。

他には、貝柱にひも、肝がありますが、この肝と身を混ぜて壺焼きにすれば、「苦焼き」と呼ばれるようです。
15.02.02-130形の小さなモノを巷では、「姫さざえ」なんて呼んでいるそうですが、こんな名前の品種はないそう★

私達が食べているサザエは、リュウテンサザエ科の巻貝だそう。
よく、静かで穏やかな海で育つと、つるっとした巻貝に成長し。
荒々しい海なら、その殻はツノだらけになるとも聞きますが、これに余り信憑性はないらしく★
・・・今ではどうも、遺伝子のせいじゃないか、なんて言われているようです。(゜-゜)

390021水深30センチ程度の処で暮らしているらしく、浅い場所では小さなモノが。
大きくなると、より深く潜った辺りを好んで暮らしているよう。
夜行性で、夜になると岩礁で海藻などを召し上がるそうで、その身が美味しいせいか、小さい間はヒトデや蟹なんかに狙われ。
・・・大きくなれば、今度はクロダイやネコザメ、タコなんかにも狙われてしまいます。
ネコザメなんか、「サザエ割り」という別名を持っているくらい、サザエさんが大好きらしいです。

北海道南部から、九州や朝鮮半島南部に生息。

sazae「食べるモノで、その殻の色を変える」そうで、だから殻の色が黄色っぽかったり、黒っぽかったり。
そんな・・・サザエさんですが、他の巻貝に比べると格段に、タンパク質やビタミン類を多く含む割には、糖質は少なく、、、
亜鉛を多く含むので、味覚障害や肌荒れ、抜け毛などを防ぎます。
コラーゲンも多く、皮膚の老化やスキンケアに効果ありのサザエですが、肝(つまり内臓部分)を食べると、アレルギー反応を起こしやすいんだそうです。

日本には、そういえば。

「栄螺堂(仏堂で、内部の階段が螺旋状)」と呼ばれる建物があったりしますし、この階段部分はまた、「栄螺梯子(さざいばしご)」と呼ばれているとか★
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はたまた、「栄螺打ち」は、戸外で行う遊戯の一つ。
・・・何でも、地面に一つ輪を描いておいて、サザエの殻を幾つか、その中に置いておきます。
それから今度は、円の外から別のサザエの殻を投げ入れます。
中のサザエの殻に当たれば、これを取るという・・・多分、海辺の子供の遊びではないでしょうか。

「栄螺殻」といえば、これは握りこぶしの別称で、今も人形浄瑠璃の一説に謡われていたり。
サザエの殻に油を入れれば、これまた、行燈に早変わり。
「栄螺の灯火」と、呼ばれていたそうです。
・・・なんだか、以外に生活に密着している・・・サザエさんですが、俳句の季語でいえば、「さざえは、春を差す」そう。
これから、楽しんでいきたいお方です。

さて今度は、芹に話を移しましょう。

15.02.02-49-02春の七草にも数えられているセリは、数少ない、日本原産の蔬菜です。

今では、「栽培品野生品が、商店では混ざって売られている」そうですが、野生のモノは、日当たりの良い水辺や湿地で自生するそう。
ですがやっぱり、芹田(せりた)で作った栽培モノの方が、アクが少なくて美味しいとか。

古くは、万葉集の歌にも詠まれているセリですが、その名は、一箇所に競りあって生えている事からとも。
幾つか、説はあるようです。

お江戸の頃の本草書とされる「本朝食鑑(1697)」は、当時の日本食材を紹介する書物。

その食品には、毒が有るとか、無いやら、栄養方面はもちろん、その食べ方までも紹介しているんだそうですが、その中でセリは、「水セリ」と「早セリ」とに分けられ。5daa0265c261b74db21de1a861ea7aba
赤セリ(写真・右)は不味いが、白セリの方は柔らかくて、しかも香気があって美味しいと記されているそう。

ただ水辺に生える植物なので、どうしても虫卵なんかに汚染されてしまうので、生食はせぬ事と、書かれているようです。

食用の他にも、神饌に、また薬用としても、セリは大活躍(!)
滋養強壮に解熱に、消化剤にと、はたまた婦人病薬としても使われていたのだとか。

セリの栽培は、湿地などに畔作りをしてから、根を植えて育てるそうです。

061012_image1_largeちなみに、「湧水でも、この栽培方法で育つ」らしく、こんなお話があるそうです。
時の豊臣秀吉が、京を守るために周囲をぐるりと、「お土居(城でいう処の、城郭。土を積み上げて作る)」に取り掛かっていると、水の湧き出る場所がある。
そこに思い付いてセリを植えてみた処、思う以上に良く育ったので手をかけ、それは京都に住む庶民の冬の食卓をにぎわし、貴重なビタミン源として活躍をしたとか。
今でも京都には、この芹田が残っているんだそうです。

そんな・・・芹ですが、お江戸の頃の料理書には、「芹焼き(!)」なるレシピがあります。
もとは焼石の上で、芹を蒸し焼きにしたモノのようですが、これは遡って、なんと(!)
15.02.02-199室町の末期頃にはあった調理法のようで、その材料も、当時はなんと、芹だけ!
・・・これが「焼き石を使っての、石焼き」から「鍋焼き」へと変っていき、結局は、「湯がいての、野菜の浸し物レシピ」へと変わっていくそうですが、その名前だけは、頑固にも「芹焼き(!)」なんですねぇ、・・・なんとまぁ、びっくり。

初めは、「芹を焼いての、芹焼き」だったレシピも、だんだんと形が変っていくようで★

料理書でも、江戸後期になっても、「芹焼きは、基本のレシピ」だったようで、例えば、「独活焼き、長うど針に刻みて、芹焼きの如くする」などと書かれるように★

yjimage日本全国、どこの山野にも自生し、栽培もしやすいセリは、古くから日本では、水田の周りに植えては、楽しんでいたよう。

そんな・・・芹ですが、そこはやはり栽培種よりも、野生の方が栄養効果は高い(!)んだそう。
11月頃から新葉が伸びて、翌年の夏に花を咲かせますが、あの芹の香りはミリスチンとカンフェンといった精油成分。
その香りは、胃を丈夫にしてくれますし、発汗や解熱、解毒にまで効果があるんだとか。

カロテンを多く含み、これは粘膜を丈夫にしてくれるので免疫力アップに。

1また、葉酸や鉄分は貧血予防や美肌にも効果あり(!)
血圧を下げるカリウムや、ビタミンCやカルシウムも多いんですが、栽培種はやっぱり野生に比べると、このビタミンCや香り成分が弱いんだそうです。

また、野生のモノはとにかくアクが強いので、塩茹でしてから、水にさらします。
ですが、栽培種なら塩茹でのみでOK!

ただ、・・・よく似た「毒芹」という毒草もあるので、そこの処だけは、要注意(!)
・・・こちらは、芹独特の香りがなくって、地下茎はタケノコ状の節があるそう(イラスト参照)。

どちらも、俳句などの春の季語にも選ばれる、セリとさざえ。
春の息吹と共に、楽しみながら、健康にも役立てていきたいものです。

さざえ栄養と効能

さざえの栄養

タンパク質、ビタミンA、B、C、亜鉛、鉄、カリウム、マグネシウムなど
など

さざえの効能

生活習慣病予防、肝機能改善、味覚障害改善、抜け毛改善、美肌作用など

せりの栄養と効能

せりの栄養

鉄分、ビタミンC、葉酸、カルシウム、カリウム、食物繊維など

せりの効能

保温効果、発汗作用、免疫力向上、高血圧予防など