お肉屋さんコーナーを、賑わせている豚肉売り場。

15.05.25-0012そのブタとは、イノシシを改良(!)
よくお肉が取れるようにと、身体は巨大化させて、しかも子供を多く産ませる能力を授けたと聞いたのは、小学校の授業か何か・・・。

「品種改良で作られた」なんて聞くと、ついつい、それはもう近代の事よねとか、思ってしまっていた・・・はわゆサン★
ところが日本では、もっと昔からブタもイノシシという言葉も、どちらも混同して使われていたよう。
はてさて、ブタとイノシシの違いは一体、何ぞや???

ちなみに広辞苑を見ますと、猪はニホンイノシと紹介されています。

ウシ目(偶蹄類)イノシシ科の哺乳類の総称で、日本産なら、頭からお尻までが1.2メートルほど。
これに20センチの尾っぽが付いてるそうで、広くはヨーロッパから、アジアにかけてお暮らしになっているらしい。
yjimage対するブタはといえば、広辞苑では「イノシシを家畜化した生物」と説明しています。

・・・狩猟で身を立てていた縄文の頃には、もちろん人はイノシシを狩りで仕留めて食べていました。
その縄文時代の遺跡から発掘された骨を調べてみると、そこにはブタの遺伝子を持っていた動物がいたなる記述(!)があります。
遺伝子・・・?
「イノシシを家畜にしたのがブタ」なら、縄文人は栽培も始めていたくらいだから、家畜も始めていたものでしょうか・・・??? (゜-゜)

はたまた弥生の頃になりますと、この当時から始まりました稲作文化。

「米は、アジアから渡って来た」くらいなので、その時に(あちらで家畜化された)ブタが紛
れ込み、そこから混血して飼育が始まった・・・などの説も。(^_^;)
yjimage-(1)・・・学者さんは、一生懸命調べているようですが、どうやら今では、九州や四国の辺りのブタは、渡来系。
東はもともと、日本で暮らしていたイノシシが家畜化してブタとなったとかいうのが、新説のような。

・・・それはいちいち狩りに行くよりも、家畜にしてしまった方が人々も、生活をし易かった事でしょう。
「日本書紀」や、日本最古の歌集「万葉集」、古事記では、猪飼とか、猪甘、猪養なる言葉が出て来ます。
家畜になっているから、「猪の文字を使ってはいる」ものの、「その実は、ブタである」とか書かれてますが、学者でない身には何だかここまで来ると、どうでもいいような気もして来ました。(^▽^;)

日本はやがて仏教の教えから、肉食禁止の世の中となっていきます。

聖徳太子を超えて大化の改新、そしてやがて始まる天皇制。
この頃、天武天皇「牛、馬、犬、日本猿、鶏の肉食禁止のお触れ」を出していますが、これ
は農業を助ける獣を守る事で、果ては「その収穫から上がる、税収を高めよう(!)」といった狙いから出たモノなんだとか。( ̄ー ̄;

yjimage4月~9月までがこのお触れ期間で、それ以外の月なら食べても良かったんだそうですが、・・・サルってこの辺りの時代なら、農家のお役に立っていたんですねぇ、まぁビックリ★
今では「サルの被害」が叫ばれまくっているのに、当時のサルは益獣だったんですねぇ・・・。
それがだんだん、仏教の教えが深まるにつれて、米もまた、その存在が神聖化していきます。
・・・やっぱり肉食は「穢れに繋がるので、良くない」とされ、一度はブタの家畜までも途絶えしまうんだそうです。

・・・まぁ、狭いながらも色々あるのが、この日本というお土地柄。

aboutkurobuta-img02天皇の目が届く辺りはそうでも、沖縄(琉球王国)や鹿児島の奄美地方は、また別です。
その代わり、あまり頻繁には食べられてはいなくて、なんといっても豚肉は「ハレの日の、おご馳走」でした。

・・・そういえば、沖縄といえばアグー豚。
つまり黒豚は、1385年(室町時代)に沖縄にやって来たんですって。
沖縄原産ではなかった事に、はわゆサン、びっくりです。(^_^;)

その後は、江戸の二代将軍・秀忠の時代まで、日本と豚の関わりはバビュンと飛びます。

1613年に、イギリスの東インド会社の貿易船が、長崎県は平戸にやって来ました。
15.05.25-0179平戸領主の松浦鎮信が船長、ジョン・セ―リスに魚や豚肉、日本酒などを贈りますが、その時に多分、「イギリスでは、ブタをどうやって食べるのかなぁ~」と思ったんではないでしょうか。
豚や牛料理を、イギリスの方に作ってもらった、なんて記述があります。

やがて3代将軍・家光の時代になると、平戸にあったオランダ商館が長崎の出島に引っ越して来ました。
オランダ船などが出島に行き来できるようになり、キリシタンが住む島にもなりましたが、オランダ船からはとにかく、珍しい食べ物が酒などが、出島に運ばれて来ます。
img0291塩漬けの豚肉やフランス産ワイン・・・などなど。

当時の日本人はもちろん、出島に出入りしている他国の船員も、試してみたい品ばかり★
・・・ところが後に「これはキリシタンだけが食するモノで、他国人には売ったり、贈答にしてもならぬ」という、お触れが出ました。
がっかりした事でしょうねぇ・・・。
でもそこは、なんとか法の眼を掻い潜って・・・という輩も、もちろん居たとは思います。

こんな時代もありましたが、珍しモノが好きで、食い意地も張ってる日本人です。

11代将軍、家斉の辺りまで時代が下がると、長崎にようやく、豚肉を食べさせる店も出来て
きました。
a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f3広島の辺りでは当時、まるで犬を飼うように豚を飼っていたと、紀行文にも記されています。
「穢れがあるとされた獣肉」は、猪なら牡丹、鹿なら紅葉鍋と、お江戸でもその名を変えて食べられるようになりましたが、女性はけっこう、敬遠していたようです。

面白い処では、養豚業が盛んになる中、福沢諭吉が「肉食を改めよ」なる記事を発表していたり。

やがて明治になって、明治天皇のお食事にも肉食が採用されるようになり、そのまず一発目。

p_02「牛肉を、試食された」なる報道が、新聞で公表(!)
・・・これがまた、よほどに肝に据えかねたのか。
報道は1月だったんですが、翌月には御嶽行者が抗議の為に皇居に乱入(!)
・・・精進潔斎を信条とする山岳信仰の行者が、白装束で皇居に乗り込み、10名のうち4名が射殺、1名が重傷で、残りの5名が逮捕の運びに。
・・・明治天皇、実は肉食したかったかも知れないのに、こんな事件まで起こるとは★
天皇の務めというのも、大変な事だと思ってしまう・・・はわゆサンです。

そんな・・・豚肉なんですが、その栄養・効能といえば、なんといってもビタミンB1(!)

「疲労回復のビタミン(!)」と呼ばれているそうで、牛肉の10倍もそのパワーがあるとか。
・・・今年のこの、どうにもならない暑さで溜まりまくった疲労物質や乳酸を一掃してくれますから、疲れや夏バテ。
15.05.25-0133果ては、激しい運動をしている方にも、おススメです。
アルコールを分解するパワーもあるそうですから、何とも有難い食材ですよね。
玉ねぎやニラ、ニンニクやネギと組み合わせると、吸収力が5~6倍もアップするとか。

含まれるビタミンB12には、疲れた脳を癒してくれる効果も。
また豚肉の脂肪は「コレステロールを低下させる脂肪酸が、多く含まれて」います。
肌の活性化にまでも一役買ってくれるのが嬉しい処ですが、その代わり、豚肉を100g食べたら、野菜は200g摂りましょう!
何事にもバランス、豚肉はこの夏たくさん試して、暑さを乗り越えていきたいモノです。

さて、インゲンさんに参りましょう。

今回の旬食材は、インゲンといっても「サヤインゲン」の方。
若いうちに莢ごと食べますが、1年のうちに3度も収獲出来るので、関東では「三度豆」と呼ぶ地もあるそう。
a0214374_16135440豆科の蔓性の一年草で、原産は南米とも。
若い莢はサヤインゲンとして食べて、実になったインゲン豆は、飴や豆きんとんなどの原料に。

インゲンさんは、1654年、四代将軍・家綱の頃に、日本からのお願いに応えた中国は福建省の禅僧、日本黄檗(おうばく)宗の開祖になる隠元という方が日本にやって来た折に、お持ちになった食材とか★

・・・ちなみにこの方は日本に帰化して、今は京都の宇治市に1661年、萬福寺を建立。
臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗のお寺さんなんですが、他2つは日本風にだいぶ姿を変えているの
に、この宗派は明朝風様式を保っているんだそう。

そういえば、一昔前のサヤインゲンには、固い筋がありました。

茹でてもこの筋が残るので、下拵えの際に両端を折って、この筋を取るなる作業があったので
すが、品種改良が進んで今では、ほとんど取らなくても良くなったんだとか。

yjimage・・・はわゆサンが子供の頃は、明治産まれの祖母にこの「インゲンの筋取り」を教わったのですが、それももう一昔前(!)なのか・・・。
時の流れに、泣かされてしまいます。(^_^;)

どじょういんげん、サーベルいんげん、平鞘隠元(ヒラサヤインゲン)、モロッコインゲン・・・などなど。
種類もあれば、色違いまでも産まれ、今やインゲンさんの親戚は、かなりな賑わいに。

そんな・・・インゲンさんですが。

サヤインゲンの豆にはタンパク質、これが疲労回復や、肌や皮膚を整える働きがあり。
ベータカロテンやビタミンC、食物繊維もまで豊富なんです。
mame1・・・ビタミンB1や、むくみをとるミネラルであるカリウム、鉄分なども含んでいるので、ものすごく低カロリー食材なのに、含まれる栄養素また、とっても多いんですね。

はわゆサンは、ドジョウインゲンばっかりを愛してきましたが、今回、平鞘隠元なる種類を知り、この文字を見ると、
「これこそが、隠元和尚が中国から持ってきたインゲンかも・・・」
とも思い、わくわくしてきました。
ドジョウインゲンなら、1本たったの3カロリー・・・。
この夏、愛してみようではありませんか。

豚肉のおもな栄養と効能

豚肉のおもな栄養

ビタミンB1、B12、ナイアシン、カリウム、ステアリン酸、オレイン酸ほか

豚肉のおもな効能

疲労回復、貧血予防、老化予防、生活習慣病予防

インゲンのおもな栄養と効能

インゲンのおもな栄養

タンパク質、食物繊維、カトリン、ビタミンB1、B2、Cほか

インゲンのおもな効能

疲労回復、便秘予防、美肌効果、免疫力強化