鱸(スズキ)といえば、成長する過程でその名を変える、出世魚・・・。
産まれたての時の名前は、「コッパ」。
20~30cmくらいの大きさの処を「セイゴ」と呼び、30~50㎝辺りまで育てば「フッコ」。
そして、3~4年を越えれば60センチを超える大きさにまでなるんだそうで、それを「スズキ」と呼ぶんだそうです。
・・・ところが、これまた地方によって、これ以外の段階にもそれぞれ「土地での呼び名」があるようで、そんな処をみると、各土地々々の日本人にはとても愛され、馴染まれ、どちらかというと東日本よりも、西日本の方で人気がある魚のようです。
・・・スズキさんと日本人の歴史はなかなかに古く、縄文時代の貝塚からもその骨が見つかっているのだとか★
現代の釣り人曰く、大食らい(!)の癖には活餌しか食べないし、ルアーで釣るとなると、単調な動きでは掛かってくれないしで、大変気難しい魚なんだそうですが、縄文の野生な日本人にとっては、チャッチャカとよく釣れる魚(!)だったんでしょうか。( ̄_ ̄ i)
刺身はもちろん、洗いにしても良し、煮ても焼いても、蒸しても良しで、フライにしてもなかなか、イケル魚なんだとか。
・・・実は、関東モノの・・・はわゆサンにはスズキさん、あんまり馴染みのない魚なんで、今回はドキドキ★
成長すれば1メートルを超える魚体(!)のせいか、なかなか・・・スーパーで丸ごと一匹、お目にかかる事はありませんが、背は青黒で全体が銀白色で、そして形はあくまでもスマートな流線形。
精悍な顔つきかつ、第一背鱗の棘がピンと張る姿は、鯛に継ぐ美魚なんだそう。(〃∇〃)
古事記には、大国主命が出雲の国で宴を催した時にその宴卓を飾ったり、室町の頃には「日野富子に献上」と資料にありますから、昔から日本では目出度い高級魚とされているようです。
万葉集に山家集などなど、様々な人々の歌にも詠まれるスズキさんですが、日本では北から南まで、幅広い範囲で生息。
河口付近で産卵、その卵は分離浮性で海面をふわふわと漂い、水温が14~15度になると孵化するんだそう。
・・・稚魚は、アミなど食べて育ちますが、春になると川を遡ったりするので、そのメニューもだんだんと変っていきます。
14センチを超えた辺りからぼつぼつ、その肉食性を発揮(!)
エビや小魚なんかも召し上がるようになり、更に大きくなると、今度は大きめの魚やエビを狙うんだそうです。(゜-゜)
そんな・・・スズキさんですが、お目出度い魚とされる伝説の一つに、平清盛さんが一役買っているようです。
なんでも、清盛さんがまだ安芸守であった頃、伊勢の国の津(現在の三重県・津市の辺り)から船で、熊野詣に出掛けた折、航路中に大きなスズキが、なんと(!)船の中へ、投身してきたんだそう。(^▽^;)
・・・成長したスズキさんは荒磯好みで、水面に大きく撥ねあがる事があるそうですから、まぁ、昔の船の大きさもあるでしょうし、勢い付いた一匹がついつい、清盛さんの乗る船に飛び込んだという事なんでしょう。
清盛さんは、これを大きな吉兆(!)と喜んで、こんな事を申します。
「昔、周(中国)の武王の船にスズキが飛び込んだ処、武王はそれから戦いを勝ち進み、天下を取ったとか」
・・・これも熊野権現のご利益、早速に調理して食べようと、自ら整えて家族にも饗したそうで、その後は清盛さんにトントンと吉事が続いてとうとう、太政大臣にまでも上り詰めた(!)のだとか★
これは「平家物語の一説」にもなっているそうで、なんと霊験あらたかなお話なんでしょうか。(^▽^;)
ところで、疲れている時や食欲不振だったり、身体がだるい時なんかに、スズキこそは効果のある食材なんだとか。
漢方では、なんと(!)
胃腸の働きを整えるばかりでなく、利尿作用や安胎作用があるので、妊娠中毒症や流産の予防に食べられているのだとか★
スズキには鉄やリン、カリウムなどのミネラルはもちろんのこと、ビタミンAやB1、Dなどを含んでいます。
リンは歯や骨を作りますし、ビタミンB1は疲労回復やむくみ防止に、そしてAは粘膜の生成を助け、眼の乾燥や風邪予防に一役買います。
DHAやEPAも含んでいるので、脳の発育や血栓の予防にもなる食材なんだそうです。∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
さて、今回の旬食材では「長芋」で撮影してますが、ここでは「山の芋」と一括りにして紹介してみたいと思います。
スーパーで良く見る「山の芋」は、長芋かイチョウ芋の辺りかと思いますが、日本では大きく3種類に分かれるんだそう。
まずは、「ジネンジョ(自然薯)」。
・・・はわゆサンも何度か戴いた事があるんですが、これが日本原産の山の芋(!)なんだとか。
山の芋はどれも蔓性の多年草だそうですが、ジネンジョは木の根のようにウネウネとしていて細く長く、まず皮をむくのに一苦労です。( ̄_ ̄ i)
アクは強いし、粘り気なんかは、超・強力(!)
・・・これが野生の力なのかと舌を巻くばかりですが、卵や出汁、そして明治産まれの祖母は、そこに牛乳なんかも加えて伸ばしてましたが、お蕎麦屋さんで食べるトロロくらいの粘り気になるまでには、相当の努力が要るんですね。(゚_゚i)
ジネンジョが計量カップ1杯程度なら、出来上がった量は4~5倍くらいには増えているでしょうか。
・・・その位の粘り気なので、擦るにも力が要る(!)し、実に大変なんですが、食べるとホントに美味しいですよねぇ・・・。(^o^;)
さて、2つ目は「ダイジョ」。
これは東南アジアが原産で、熱帯や亜熱帯に生息してますが、沖縄や南九州で栽培されているそうです。
さて3つ目が「ヤマノイモ」と呼ばれ、これは中国が原産。
ナガイモ、イチョウイモ、ヤマトイモで、中でもナガイモが一番出回っているんだそうです。
関東ではイチョウイモの事を別名「大和芋」と呼んだりしますが、本物のヤマトイモは別名「ツクネイモ」と呼ばれるモノで、近畿や中国地方で栽培される水分の少ない、粘りの強い種類なんだそうです。
天然の山の芋を手に入れるには、本来なら山に行って掘るモノ。
・・・ところが、ジネンジョはヘタをすると1メートルを超える長さに育ちます。(^o^;)
山芋掘りに使うのは、掘り棒とか、芋掘り鍬と呼ばれる大人の背丈ほどの鉄の棒なんだそうですが、自然薯は野生の芋なので、人の思惑通りに成長するハズもなく・・・。
これがまた横にうねったり、思い立ってまた下に進んだりなどなど、これを一本、キレイに掘り出そうと思ったら、とてつもなく大変根気の要る作業になる訳です。( ̄ー ̄;
漫画「美味しんぼ」でも、「不良だった青年が、見事立ち直った証」として自然薯掘りをやってましたが、掘るのもさる事ながら、掘った後の穴を埋めるのも、これまた大変(!)
そんな事から、今では「山芋掘り禁止」のお触れが出る場所も多いんだとか★
ところで、スーパーに並んでいるのは、栽培種の山の芋たち。
イモ類の中でも、生食できるのはこの「山の芋」だけで、擦りおろしたり、千切りにして酢の物にしたり、サラダにしたり、ねんきらレシピなら漬け物にと大活躍(!)
豊富に含む消化酵素が、新陳代謝をアップ(!)
・・・ところがこの消化酵素、加熱すると効果がなくなってしまうので、とろろ汁を作る場合などは、要・注意(!)
出汁などを入れて伸ばす時は、それは冷ましてからの方が良いそうです。
この、でんぷん分解酵素のアミラーゼと酸化還元酵素カタラーゼさんは、先ほどの新陳代謝の他に健胃で疲労回復、滋養強壮にも一役買います。
そして、あの特有のヌルヌルのぬめりには、ムチンが含まれています。
粘膜を保護するパワーを秘めてますし、コリンが新陳代謝、サポニンがコレステロールを取り除いての血液酸化防止に。
腎臓の機能を高め、高血圧にはもちろん、食物繊維も豊富なので、便秘解消にも効果があります。
この方達に助けていただき、来る寒い冬に備えましょう~。(^-^)
スズキの栄養と効能
スズキの栄養
リン、鉄、カりウム、ビタミンA、B1、D、レチノールなど
スズキの効能
骨粗鬆症予防、風邪予防、疲れ目予防、利尿作用、安胎作法
山の芋の栄養と効能
山の芋の栄養
カリウム、カルシウム、ビタミンB1、B2、C、食物繊維など
山の芋の効能
新陳代謝向上、健胃効果、疲労回復、滋養強壮、高血圧予防、糖尿病予防