魚偏(さかなへん)に春と書いて、サワラと読みます。

サバ科の魚で、今回調べて初めて知ったのですが、サワラって出世魚(!)なんだそう。 (^_^;)
images・・・なんでも、孵化して1年目(40~50センチくらいに成長★)の状態を、サゴシと。(サゴチと呼ぶ地域も★)
2年目(50~60センチ)の処では、ナギ(又は、ヤナギ)と呼び。
60センチを超えた処で、やっと「サワラ」と呼ばれるようになるんだとか★

・・・成長すれば、1メートル程にまでもなるそう(!)
よくある事ですが、メスの方がオスよりもガタイが良くて、オスが6年くらい。
メスは、8年くらいは生きるのだとか。
北海道以南なら日本では、ほぼ一年中摂れる魚なんだそうです。 (゜-゜)

桜の花盛りの頃に摂れるサワラを、和歌山では春の使者として、「桜鰆」と呼ぶそう。

5月から6月にかけて、産卵の為にサワラは、外海から瀬戸内海に移動して来ます。
fish201302・・・なので、「春漁の魚だから、鰆と書くようになった」とも言われりしてますが、本当は「サは、狭い」という意味だし、「ハラは、腹」を意味するのだとか。
お腹が狭くてスマートな体系からこの名が付けられたというのが、本当の処のようです。
・・・そういえば、幼少期の名前も「狭腰(サゴシ)」でしたよね。(゜-゜)

ところで、お江戸の頃に、貝原益軒(儒学者で教育家で、本草学者★)という人が、いました。

貝原彼が出版した当時の代表作「大和本草(やまとほんぞう・1709年)」にも、「馬鮫魚(さわら)あり、曰く魚太なれども腹狭し、故に狭腹(さわら)と号(な)ずく、サは狭小なり」と紹介しているとか。
この本草というのは、多くの和漢の薬草や食べ物などの名前はもちろん、来歴や形状、効能までを紹介している書物なんだそうです。

ところでサワラの卵は、サバ科にしては大きいそう(!)
・・・直径が1.5~2ミリ程度で、一度に85万粒(!)も産卵するんだとか★
一昼夜くらいを卵たちは、波間をふわふわと漂って過ごし、その後で、ようやく孵化をするんだそうです。

仔魚の時から、鋭い歯を持っている・・・サワラさん★

なので、まずはプランクトンに始まりますが、少し大きくなると、自分と同じ大きさの魚でも果敢に攻めていくのだとか★
1・・・温かい時期に大きく育ちますが、寒い時期には成長は止まります。

・・・関東では、冬に獲れる寒鰆が好まれるそうですが、関西では何といっても、春鰆(!)

特に岡山県では、名物の「ばらずし」には、なくてはならない魚なんだそう。
なので「岡山県民の、鰆愛!」は素晴らしく、刺身や酢の物、お寿司にもするため、常にどこのスーパーや魚屋、デパートでも置いているので、「サワラの値段は、岡山で決まる!」・・・とまで、語られているんだそうです。 (〃∇〃)

はわゆサンは関東人なので、サワラといっても西京焼きか塩焼き。

このHPでも、「ガーリックソテー」をご紹介をしてますが、関西の方では、その料理法も数多く(!)
・・・鮮度の良いものは、まずはお刺身に。
15.02.02-58それも、「サワラの皮と身の間の、独特の香りを活かしての調理法」だそうで、春先に香川県の辺りでこれを食べると、あまりの美味しさに、「鰆の刺身は、皿までなめる」というコトワザまであるとか。

・・・その他には照り焼き、柚庵焼きに塩焼き、西京漬けはもちろん、かぶら蒸し、押し寿司・・・などなど。
「沖すき」やたたき、フライなどとバラエティー豊かに楽しまれているそうですが、香川県では鰆の卵巣を唐墨(からすみ)にして楽しんでいるとか★

・・・ちなみにこの食品は、先ほどの「大和本草」でも、

「その子を干して酒肴とす、味良し、多く食らうべからず」と紹介しているそうですし。
2・・・はたまた、江戸時代の別方の本草書「本朝食鑑(1697)」でも、「鰆は子が多く、胞(はらこ)は刀豆のサヤのようである。これを切るとツヤあり、味も甘みである。・・・これを乾燥させると、中華の墨の古いものに似ているので唐墨と名づける」などと紹介。

・・・うぅむ、たしか鰆って、一度に5万粒(!)の卵を産んでいたんですよね。

だからそこは、卵巣だって美味しく活用しなきゃ・・・という処なんでしょうか。(^_^;)
以外に「鰆のその歴史の深さと味の楽しみ方のバリエーションの多さ」に今回、何だかとても驚かされてしまいました。

15.02.02-225・・・また鰆は、大変に捌きにくい魚だそうで、なので大抵はプロの手で捌いての、切り身などで売られているんだそうです。

俳句では、「春の季語」にもされている鰆さんですが、良質なタンパク質を多く含み、免疫力向上や、悪玉コレステロールに対抗するオレイン酸なども豊富に含んでいます。
そして、大変な大食漢(!)な魚だそう。
・・・サワラのその生き方のように、貪欲に楽しんでいきたいものです。

さて、今度は「えんどう豆」に参りましょう。

日本には奈良時代、かの遣唐使によって伝わったとされる・・・エンドウ豆さんですが、平安時代「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょ・・・つまり、平安時代の和漢辞書★)」も、「乃良末女(のらまめ)」という名で紹介されています。
yjimage (1)・・・紹介されてはいるんですが、野菜としての認知度ではなかったよう★

お江戸の頃になって、ようやく十一代将軍・家斉の頃、「武江産物志(ぶこうさんぶつし・・・江戸の風物書★)」という書物で「野菜の一つとして紹介(!)」されるようになりましたが、この時代のエンドウは、若いうちに採って楽しむ、「サヤ付きの、さやえんどう」だったようです。

エンドウは他の豆類と違って、秋に種蒔きをして、越冬して春から夏にかけて収獲します。

これは、原産地の地中海気候が、日本ではこの時期に当たるからだとか★
enndouまたエンドウ豆は、その色で「青えんどう」「赤えんどう」に分かれます。
さらに、サヤの固さ種類も変り硬莢種(こうきゅうしゅ)と、軟莢種(なんきゅうしゅ)に分かれます。
・・・そして連作すると、収穫は激減(!)する作物なんだそうです。

硬莢種は、その名の通りサヤが硬いので、まずは完熟させてから乾燥した豆を収獲するもの。

・・・反対に軟莢種の方は、サヤが柔らかいので、まだ未熟な内には「さやえんどう」として。
1完熟したら今度は、生の豆(一般には、グリーンピース★)を楽しみます。
最近は品種改良も進んで、豆が成熟してもサヤごと食べられるスナップエンドウなんてのも、八百屋さんでは見掛けますよね。

乾燥させた青エンドウ豆は、例えば煮豆や煎り豆、和菓子の餡に使われたりしますが、赤エンドウの方は例えば、みつ豆や、茹で豆でも。

生の豆やサヤエンドウ、スナップエンドウなら、炒め物や豆ご飯やら、スープに・・・などなど。
ちなみに、赤エンドウ豆で作った豆ご飯は、炊き上がると「豆の周りのご飯が、うっすら赤く染まって美しく、美味しい」そうです。

aoendo_main1_topタミンCやカロチン、食物繊維を多く含み、免疫力向上や風邪予防、美肌効果もあるそうです。

以前はこの・・・エンドウ豆、5月が旬だったのに、最近は市場に出るのがどんどん早まって来ているのだとか★
はわゆサンの近くのスーパーでも、生の豆が年中あるので、今一つ季節感を見失いそうですが、大事に活用していきたい処です。

さて、今月最後の旬食材、ヒジキにまいりましょう。

ヒジキは平安時代の小説、「伊勢物語」の第三段で、男(在原業平)が恋人に、「当時はまだ珍しかったひじき藻を贈るシーン」が描かれているとか。
yjimage「思ひあらば 葎(むぐら)の宿に寝もしなん ひじき物には袖にしつつも」

・・・これを現代語にすると、
「もし、あなたに私を思う気持ちがあるのなら、むぐらの生い茂るあばら家ででも、一緒に寝ましょう(!)
たとえちゃんとした引敷物(ひきしきもの)がなくて(袖を敷きながら)でも」
・・・こんな意味になるようで、ちなみに「ひじきもの」というのは、海藻の「ひじき藻」と夜具の「引敷物」の掛詞なんだそうな。 (゜-゜)

かように、歴史のあるヒジキさんですが、漢字で書くと、芽ヒジキは、その形が鹿の尾に似ているから「鹿尾菜」とか。

売られている乾燥ヒジキは黒いですが、海の中では緑がかった褐色な処からか、「羊栖菜」とも書くそう。
yjimage (4)褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道の南部から九州にかけて、海岸の岩礁に付着して群生しているんだそうです。

・・・その根は岩を這い、冬から春にかけて発芽したら、波の荒い岩場の潮間帯の辺りを根城として、生長すればその太さは3~4ミリにまでに★
その高さは、0.5~1メートルほどにも育つとか。

・・・初夏になると腹を決めて、体内に精子と卵を作り(!)

15.02.02-296有性生殖をするそうで、その生育は旺盛とあります。
また、有名な処では、1988年厚生省が初めて行った「食物繊維含有量調べ」で、ヒジキは堂々1位に!

「ひじきを食べると長生きをする」と古くから言われている事から、今ではもう日付が変りはしたものの、もと・敬老の日であった9月15日が、「ひじきの日」と、三重県はヒジキ共同組合が、制定そしたんだそうです。

・・・ちなみに、ヒジキの収獲期は、春。
そこを過ぎてしまうと、今度は硬くなってしまい、食用には向かなくなるんだとか★

刈り取ったヒジキはまず、素干しにします。

15.02.02-218そこから分かれて、伊勢方式と呼ばれる「真水を加えて蒸す方法」と。
「真水を加えてから煮沸する方法」が、あるとか。
どちらも、この作業で渋みや色素を出していき、それから天日乾燥にします。
・・・この作業をしないと、生では渋くて、とても食べられない代物なんだそうです。

乾燥したヒジキは、茎の部分で作った「長ひじき」と。

ヒジキの葉の部分で作った、「芽ひじき」、または「米ひじき」「姫ひじき」
picそしてもう一つ、通常は春に若芽を収穫する処を、冬に収穫してしまうという「寒ひじき」とで、3種類あるそうです。

ちなみに、スーパーでよくパック詰めで「生ひじき」と銘打って売られているのは、乾燥品を蒸したモノ(!)なんだそうです。

海藻なのでカルシウムはもちろん、マグネシウム、鉄に食物繊維を多く含み、妊婦さんや授乳婦さんにも、おススメ!

ヒジキは、「ビタミンDが多い食品」と組み合わせると、ヒジキのカルシウムの吸収を良くし。
img_0「タンパク質やビタミンC」と組み合わせれば、鉄分の吸収を助けるレシピに。

また、乾燥ヒジキをどうしても早く戻したい場合は、50度までのお湯(!)にして欲しいそう。
・・・それを超えてしまうと、大事な栄養分が流出する原因になってしまうんだとか★
・・・食物繊維の宝庫、脂肪燃焼効果のあるフコキサンチンも含むヒジキを、これから薄着になっていく今からの季節、大事にしていこうではありませんか。

鰆の栄養と効能

鰆の栄養

タンパク質、DPA、EPA、ビタミンD、ビタミンB12など

鰆の効能

疲労回復、代謝アップ、免疫力向上、生活習慣病予防など

えんどう豆の栄養と効能

えんどう豆の栄養

ビタミンC、B1、B2、カロテン、食物繊維、カリウム、鉄など

えんどう豆の効能

免疫力向上、風邪予防、美肌効果など

ひじきの栄養と効能

ひじきの栄養

カルシウム、マグネシウム、鉄、食物繊維、カリウムなど

ひじきの効能

便秘予防、貧血予防、骨粗鬆症予防、美肌効果など