はわゆ蔵書にあります、毎度恒例の・・・「日本の食文化史年表」。
その中に、黒鯛にまつわる資料がたった一件だけ、見つかりました(!)
それは、なんと縄文時代(!)にまで遡ります・・・。 ( ̄_ ̄ i)
かの時代はといえば、例の「縄目模様の付いた土器を、愛用していたご時世」。
・・・これまた、1万年以上続いたという年代ですから、そこにも驚いてしまいます。
福島県は弘源寺貝塚、陥穴漁が盛んになって来た頃で、そちらには釣り針で釣ったと覚しき、黒鯛さまのお姿が・・・。
長らく日本人とは縁深くお暮らしになっていた・・・黒鯛さんなんですが。
スズキ目・タイ科に属するお魚で、日本では、北は北海道の南部から、南は奄美大島の辺り、わりに広い地域で生息。
冬は海に潜って(水深5~60メートル)の辺りで、お暮らしになっているそう。
暖かくなり夏ともなれば、水深1~2メートルの浅瀬や河口域の辺りまでやって来るので、釣り人にはとても愛されているお魚なんだとか。
なにしろ、がっつきで雑食★
釣り餌にしても、もちろんよくある釣エサでも釣れますが、河口にやって来る「生活用水から出る残飯」も食べ慣れているそうなので、例えば野菜だとか。
みかんの皮かなんかでも釣れてしまうという、大変八方美人なお魚なんだそう。 (゜_゜;)
しかも黒鯛は、潮の満ち引きの加減から、河に登ってもなお、生きられるという・・・とにかく、環境的能力がとっても高いお魚(!)なんだそうで、なので魚河岸のあった築地では、
「真水でも、活かせておける」
と、けっこうに重宝がらていた時期があったそうですが、昨今では養殖も多く行われるようになり、今では値打ちが少し下がったとも★
・・・黒鯛の産卵は、春。
直径0.8~0.9ミリほどの分離浮性卵が、約30時間ほどで孵化をします。
産まれたばかりの稚魚は2ミリほどで、卵黄囊の栄養で過ごし、8ミリほどに育つと
今度は、砂浜の波打ち際やら、河口域の辺りでプランクトンなんかをお召し上がりになりながら、ゆらゆらとお暮らしになります。
1年で12センチ、5年で26センチ、9年で40センチの大きさへと成長をしていきますが、同じような生態に見える真鯛よりも成長は遅いのだそう。 (゜_゜ )
河口で暮らしているからこそ、環境的能力が高い故に、わりに何でも口にしてしまう・・・黒鯛さん★
真夏になると、「スイカで釣る、パックン釣り」なんてモノもあり・・・。
そしてちなみに、黒鯛も出世魚なんだそう。
関東では、チンチン、カイズ、クロダイへと変わっていきますが、これが関西になりますと、ババタレ、チヌ、オオスケとなるそう。
そして、真鯛もそうなんですが★
黒鯛さんも、性転換をされるというお魚・・・。
4~5歳になると、オスだった黒鯛さんの卵巣が発達して、メスになるそう。
また、雌性ホルモンが少ないお方はメスにはならずに、生涯をオスとして、雄々しく生きていかれるのだとか・・・。 (‘_’)
ちなみに真鯛の方は、メスからオスに変わるんだそうで、似ていてもやっぱり色々と違うんだなぁという処でしょうか。
それにしても、ある日突然、性別が変わるというのは、やっぱり不思議な事ですよね★
そんな・・・黒鯛サンなんですが。
白身の魚ゆえに、タンパク質が豊富(!)
そして含まれるカリウムには、エネルギーの代謝を円滑にするのはもちろん、高血圧予防にも一役買います。
タウリンは、生活習慣病の予防にも繋がり、血中のコレステロール値も低くしてくれますし、抗ストレス作用なども。
・・・これからまだまだ暑くなる季節、ありがたくも頼もしい味方です。
さて、ツルムラサキの方に参りましょう。
1612年に出版された「多識編(医薬に関する書物)」に、「豆留牟良佐岐(つるむらさき)」と出たのが、初めて。
それ以前はどうだったのかは確認が取れていないんだそうで、中国では古くから、その実を染料に使っていたそうで、もちろん日本でも。
お江戸は六代将軍、家宣の時代に生きていたという・・・貝原益軒という人が書いた「菜譜(1704)」という医薬書で、食用にするのはもちろん、その実で紙を染めて使用していたなる記述もあります。
その一つは、こちら。
奈良県は御所(ごせ)市にある、一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)では、神事に使われるという御幣(ごへい)を、その実で染色して使うのだそう。
・・・ちなみに御幣とは、「神に捧げるモノ」という意味だそうで、神社などで神様をお招きするための道具です。
細長い木や竹 ( 幣串 [ へいぐし ] )に、昔は布帛( 綿とか麻布とか )を挟んでいたのが、今では紙に変わったという、神祭用具・・・。 (゜_゜ )
一般的には色は白で、これで参拝者のお祓いをしたりもしますが、基本的には神社の社殿の奥深くに立てておくものだそう。
神霊が依り憑く(よりつく)道具だそうで・・・って、はわゆサン★
神社でよく見掛けてはいたけど、こんな名前でしかも、こんな役割があったとは・・・。
初めて知りました、恐るべし、ねんきら・・・★ (^▽^;)
かの神社で使われるモノは、染まり立てはワインレッドのステキな色なんだそうですが、すぐに色あせてしまうとか。
ツルムラサキは、多年性の蔓草なんだそう。
・・・八百屋さんとかで、商品しか見たことがなかったので、今回、初めてその畑の様子を見て驚いたのですが、・・・ツルムラサキさんって、こんなお方だったのですね・・・★
日本では、先ほど紹介した染料のほか、どちらかといえば観葉植物としての役割も多かったそう。
・・・こんなにうねって、頑張れば4メートルほどの大きさになるまで成長(!)
春に種を蒔いて、朝顔のように行灯仕立(と、いうらしい★)にするのが一般的なんだそうですが、垣根に這わせて、日除けにしても良いのだとか。 ( ̄_ ̄ i)
・・・茎は赤紫色で、今は品種改良も進んで食べやすくなったとも。
夏から秋にかけては、葉腋から太くて長い花茎が出て、花弁のない地味~ィな花を、ブドウのようにたわわに付けるとか。
とにかく、一度芽が出たらどんどんと茎を伸ばして、勢いよく成長(!)
どんなに芽を摘まれても平気というから、その生命力にはどこか、頭の下がる思いもする・・・はわゆサンです★
そんな・・・ツルムラサキさんなんですが。
カリウムは高血圧やむくみ予防に、疲労回復のビタミンBに食物繊維、亜鉛や鉄分も多いので、貧血予防にも。
そして、ほんの少しですがゲルマニウムも含んでいて、これは血行を良くしてくれるのはもちろん、老化予防の効果までも。
・・・中華ではよく、炒めて食べるんだそうですが、このツルムラサキ。
あまり茹ですぎると、逆に苦くなったりして、食べにくくなってしまうそうで、とにかく、さっと湯がくのがコツだとか。
ぜひ、今年の夏は取り入れて、この暑さを乗り切って参りましょう。
黒鯛の栄養と効能
おもな栄養成分
タンパク質、カリウム、リン、ナトリウムなど
おもな効能
高血圧予防、生活習慣病予防、代謝促進、抗ストレス作用ほか
ツルムラサキの栄養と効能
おもな栄養成分
ムチン、カリウム、ビタミンB、ベータカロテン、マグネシウムほか
おもな効能
生活習慣病予防、抗酸化作用、老化予防、整腸作用ほか