関東者の・・・はわゆサンが、「水菜」を初めて知ったのは、いつの頃からだったでしょうか。
よく覚えていませんが、初めて食べたのは外食のサラダ辺りからのような気がします。
・・・イメージ的に、「水のように味がない野菜」としか認識していなかったので、あまり手に取る事もなかったのでした。
そんな・・・はわゆサンが贈る、驚愕(!)の水菜レポートを今回は、お伝えします。
水菜は、アオナ、ウキナ、タカナ、ハタケナと一緒に、草かんむりに、松の字を書いて「菘」の文字を当てていたそう。
日本では、松竹梅は目出度いモノの、トップ3(!)
その「松の文字が充てられる」くらいに、昔は、なかなかに珍重されていたモノなんだとか。
京都は、東寺九条辺りで肥料を使わずに水と土だけで栽培されていたので、「水菜」の名で呼ばれているそう。
・・・これが近江の辺りでは「兵主菜」、他の地方では「京菜」などと、呼ばれているようです。
流通のせいでか、てっきり「関東には、水菜を食べる習慣が全くなかった」と思い込んでいた・・・はわゆサン★
ところが、なんと(!)
十一代将軍、家斉の時代に、お江戸の農産物を紹介する『武江産物志』という書物がありまして、そこに他の作物と一緒に、水菜さんも紹介されていたんです。
千住(現在の、足立区)の辺りで栽培されていたそうで、その物価はといえば、当時はオランダ商館医として日本に赴任していたシーボルトさんが書き残した文献に、大根が10本で72文、水菜は1把で56文とあります。
水菜一把の大きさが、今とは相当に違っていたとは思うのですが、大根1本7文に対して、こちらは56文ですから、どちらかといえば当時は高級食材であった訳ですよね。
・・・先日、スーパーで見掛けた折は、1袋で138円だったような気がしますが、時代によって作物の価値も様々なんだなぁと、驚かされます。
水菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜だそうで、実は緑黄色野菜なんだとか。
・・・あんなに薄い葉の色をしてるのに、驚きますよね。
また水菜は、一株の葉数が多いのも特徴で、お正月のお雑煮や、煮物や和え物、炒め物や漬け物にしても良いそうで、甘塩で漬けた京都の糸菜漬は、有名なんだそうです。
さて、水菜の種類としては、まずは千筋みずな。
関西に多く流通し、こちらは葉に多くの切れ込みがあって、白い茎なのが特徴です。
そして、「茎広きょうな」は関東が主流。
葉の幅が狭くて、切れ込みが浅くて、一株の量が多くて、茎が太いのが特徴です。
そして、これももちろん、水菜の一種なのですが、壬生で発見されたという壬生菜は、葉に切れ込みがなくて、歯触りが柔らかくて、辛味と香りがあるのが特徴。
壬生菜飯というものがあって、これは一晩塩漬にした壬生菜を揉んで水洗いしてから刻み、米に混ぜて炊きこんだものだそうです。
関東の水菜は特にクセもなく、水のような食感。
なので、栄養的にも大したことがないんじゃないか・・・と思っていたら、ドンドン(!)
βカロテンやビタミンC、鉄分や葉酸が多いのも特徴で、非常に栄養バランスの良い野菜なんだとか。
驚いた事には、魚や肉の臭みを消す効果までもあるそう。
・・・なので、クジラ料理のはりはり鍋には、(クジラの臭み消しの意味もあって)水菜をたっぷりと入れて作るんだそうです。
ただ、せっかくのビタミンCが火を通すと壊れてしまうので、生で食べるか、火を入れるにしても余り煮込まず、さっと湯がく程度で。
歯ごたえを残すように調理するのが、美味しく食べるポイントなんだそうです。
100gで、たったの23カロリー(!)
水菜に含まれる、アリルイソチオシアネートは、「わさびと同じ辛味成分」だそう。
これが血栓の予防になったり、わさびと同じく、抗菌作用も。
そして、先ほどの魚や肉の臭みを消すのも、この成分。
食品保存のための包装材としてまでも、活用されています。
水菜に含まれるグルコシノレートは、解毒作用強化に一役買います。
これが、先ほどのアリルイソチオシアネートに酵素分解されていくんですが、抗ガン作用の効果があるとか。
そして、たくさんの食物繊維は、腸内環境を整えてくれますし、含まれるビタミンCは、シミ、そばかすの予防やコラーゲンの生成を促し、活性酸素を消してくれます。
免疫力アップ、ストレス解消にも、このビタミンCは一役買っています。
また、カルシウムの含量が多く、100gの含有量は牛乳の約2倍にもあたるとか。
水のような食感で、あまり手に取る事がなかった・・・はわゆサンでしたが、以外や以外(!)
水菜さんのパワーに、感じ入ってしまいました。
これからは心を入れ替えて、積極的に戴いていきたいものです。
さて、今月のもう1つの旬食材は、サバでございます。
はわゆサンも、そして林先生も大好物のサバなんですが、古来より、あたりやすい・・・という処が難点なんです。
「サバの生き腐れ」とは良く言いますが、とにかくサバには脂肪分が多く(!)て、鮮度低下が早い(!)
・・・そういえば、カツオでも同じ下りがありましたよね。
お寿司屋さんでは、今も「カツオは足が速い(鮮度が落ちやすい、腐りやすい)」とかで、余り扱いたくないと仰るお店も★
鮮度が落ちてしまうと、ヒスチヂン(という名の、赤身の魚が持つというビタミン★)が、魚に付着しているバクテリアと合体(!)
力を合わせて、かの有名なアレルギー物質ヒスタミンへと、変っていきます。
・・・これは花粉の季節に、さかんにテレビでお医者さんやら、薬屋さんが叫んでいる、アレですね。
食べればアレルギーを発症、蕁麻疹やら、中には吐き気を起こしたり、むくんだりする人も★
カツオを生で食べるようになったのは、振り返ってみれば、ごく最近のようにも思いますよね。
冷凍技術が進んだから・・・だと思っていたら、ところが、ドンドン(!)
調べてみると、冷凍されている間もこのヒスチヂンは、バクテリアと融合、合体を繰り返しているんだそうです。
・・・長引けば、どんどんとヒスタミンが増えてしまうので、昔も今も「カツオは獲れたら、イキが良い内に即食べが鉄則」のようです。
さて、カツオですらそうなのに、サバの場合はどうでしょうか。
日本では、太平洋の各地で水揚げされているサバですが、秋が旬。
その卵は、伊豆半島の沖で春頃に孵化して、エサを食べながら北上。
その皮と身の間に脂を蓄え、丸々と太っていくんですが、9月から10月にかけてようやく、その皮下脂肪が身に、徐々に行き渡っていくんだそうです。
寒くなるにつれて脂が回り、身も締まって美味しくなっていくんだそうですが、九州では冬がサバの旬であるようです。
古くから日本人に馴染のあるサバは、縄文時代の遺跡からも、その骨などが発掘。
古くからサバと呼ばれ、一節には、小さい歯が多い事から「小(さ)歯(ば)」と呼ばれるようになったとも。
平安時代には、中男作物(要するに、税金の代替物)として貢納され、すでにこの頃には「鯖売りの行商」も出ていたとか。
年齢を誤魔化す意味での「サバを詠む」という言葉は、大量に捕れる割に鮮度低下が激しいから、魚屋や猟師も、ろくに数を数えないで、大急ぎで売りさばいた事から来ているとか。
また、「秋サバは嫁に食わすな」という諺(ことわざ)があるそうですがこれは、嫁いびりに繋がるという説やら、現代では「脂肪が多すぎるので、嫁さんには良くない」という、いたわりへと結ぶ解釈もあるそう。
面白い処では、空海(平安初期の高僧で真言宗の開祖、弘法大師とも)が、旅僧姿で鯖を求めたら、何故だか鯖を与えなかった為に、その者が罰せられたなる伝説があったり、などなど。
古くから親しまれているせいか、相撲の技にまで、その名が使われています。
「鯖折りという技」で、この名は、鯖の締め方に由来するそう。
エラから指を入れて、鯖の頭を上に折り曲げてサバは締めるんだそうですが、相撲では、両手で相手のマワシを引きつけ、上から乗っかるようにして相手を押し潰して膝を着かせて、やっつけるんですって、面白いですよね。
さて、よくサバは、お酢でしめての「〆鯖」にして食べたりしますよね。
「鯖の鮮度を保つには、お酢が良く」、これで血液サラサラ効果や疲労回復、夏バテや肝機能強化など、効能が上がっていくんですが、困った事にはその身に、アニサキスという寄生虫が付く事もあるそう。
この方は、お酢にもめげません。
回遊するサバより、根付きのサバに付くらしく、なのでやっぱり塩サバなどの方が、安全面ではズバ抜けています。
京都の鯖寿司は、有名ですよね。
もちろん冷蔵庫もなく、冷凍技術のない頃には、若狭湾(福井県)で獲れた鯖を京都まで運ぶには、18里といえば、現代では72キロ(!)
・・・サバが傷まないよにう、塩をごく辛くしてから、荷車や馬などで輸送したそうですが、この塩分が、ある意味での山国での食塩補給にもなっていたとか。
この街道を移動する間に、鯖寿司にちょうど良い塩加減となり、酢飯と併せれば、カンタンに拵えられると、名物に。
・・・ところが、ところが。
昨今では技術が進んで、生の鯖が運ばれてくるようになりました。
すると、今度はこの塩加減が難しくて、鮨屋を嘆かせる事にも至ったとか。
・・・とある、秋祭り。
魚屋としては、サービスのつもりで生鯖を持ち込んだそうなんですが、さて大変(!)
「塩漬け鯖を用い、酢飯に載せるだけ」の積りの婦人会の皆さま方は、てんてこ舞い!
鯖の塩漬けが難しいわ、そのノウハウがないわで、結局は間に合わず★
・・・さりとて、この「腐りやすい鯖を、家に持ち帰る」など、とっても出来ず。
大量の鯖がただ、持ち腐れをしてしまった・・・なんて話まで、あるそうです。
日本古来から、愛されて来たサバさんです。
秋の味覚、慈しんで差し上げようでは、ありませんか。
水菜のおもな栄養と効能
水菜のおもな栄養
β-カロテン、ビタミンC、E、カルシウム、鉄ほか
水菜のおもな効能
動脈硬化予防、抗菌作用、解毒機能強化、抗ガン化作用、免疫力アップほか
サバのおもな栄養と効能
サバのおもな栄養
DHA、EPA、ビタミンB12、D、カリウム、ナイアシンほか
サバのおもな効能
老人性痴呆症改善、視力向上、動脈硬化予防、二日酔い予防、疲労回復ほか