アユは、何と言っても塩焼き。
徳島県は吉野川の辺りだと、とにかく「鮎は頭を下げて焼け(!)」というのが、お約束事なんだそう。
・・・なんでも頭を下げて焼く事で、「身から染み出た脂分が、焼けていく段階で頭にまでジリジリと落ち、とうとう最後は頭から、垂れ落ちて」いきます。
なので身の部分は、脂分が落ちていくので、さっぱりと。
頭は、その身から出る油分でカリッと、唐揚げのような香ばしさに仕上がるのだとか。 (゜-゜)
今回、「ねんきら」でご紹介している「串打ちの方法」でも、よ~く見ると「頭部分が下がっています」が、そんな意味があるのかと、驚きました。
・・・はてさて。
アユといったら何といっても、清流釣り(!)を連想させますよね。
秋には川で産卵しますが、水温が16~20度の辺りで砂利質、泥っぽくない場所に卵を産み出します。
この時、メス1匹に対して、2匹以上のオスが寄りそうようにして放精していくんだそう。
・・・川の流れは早いでしょうから、1匹で頑張ったくらいでは、どんどんと成果が流されていってしまう(!)んですかねぇ。。。
そこは、みんなで協力し合わないと、子孫が残せないっっっ!!
・・・そんな魚もいるのだと今回、初めて知りました。 (^_^;)
さて卵の方ですが、2週間程もすると孵化します。
透明な稚魚は、河口域まで降りていきますが、まずは海水の塩分の少ない辺りで身体を慣らしながら、プランクトンなどを捕食。
1cm程にまで育つと、スイカかキュウリに似た香りを放つようになるんだとか★
これは、アユ独特の不飽和脂肪酸が、酵素で分解された匂いなんだそう。
この頃になると、プランクトンの他にも、小型水生昆虫や、落下昆虫などを食べるようになります。
翌年の春先、6センチくらいの大きさまで育つと、アユの全身がウロコで覆われるようになり。
4~5月の頃には、10センチ程度の大きさまで成長(!)
いよいよ海から川へと遡上するようになりますが、この頃から身体に色が付いていきます。
それまでの肉食から、岩に生える藻を食べるようになるからでしょうか。
歯の形までも、変わって行きます。
大体の若魚は群れを作りますが、中には自分のエサ場を守るアユもいるので、その習性を利用したのが、かの有名な「友釣り」です。
アユの縄張り意識を利用して、おとりのアユを使って釣り上げるという、アレです。
ちなみにアユが川を遡上してくると、例のスイカかキュウリのような臭いが強くなるので、釣り人はそれでアユがやって来たなと判るとか★
ちなみにアユは、ウミウを利用した鵜飼漁も有名だそうです。
これは、中国から入って来た漁法なのだそうで、古事記や日本書紀の頃すでに、日本でも取り入れられていたとか★
ちなみに、徳川の将軍家に献上するアユは、江戸近くは多摩川で、鵜飼で獲られたモノだけしかダメだったとか。
・・・アユさんは、日本では何しろ、古事記の時代から親しみのある魚。
なので、古来よりアユさんは、どちらかと言えば高級魚の扱いに。
例えば、神前に贄(にえ)として供えては、占いに使ってみたり。
あらゆる天皇はもちろん、武将にも献上していた程です。
この他にも、・・・これは、鰹なんかもそうでしたよね★
租庸調制度(中国の律令を基にした、日本の古い税制度)の「調(つまり、税として)」、お上に納められていたとか★
大化の改新の後の事ですから、もう少しで奈良時代かという頃の事なので、保存性を高めるには乾燥させるか、塩を使ったモノが多かったんですねぇ。
また、アユは年魚(一年で、一生を終える)だそうですが、まれにメスにだけ、2年生きてしまうお方もいるらしいです★
・・・だからといって、また産卵する事はないんだそうで、気楽なお婆ちゃん余生を過ごすよう。 (゜-゜)
・・・はてさて。
アユは、漢字では先ほどの「年魚」や「鮎」、そして別の字では「香魚」とも。
その名の由来は、「あひ(い)」からだとか。
この「あ」というのは、愛らしいという意味で、「ひ(い)」は、魚名語尾にあたり、今でいうなら「愛らしき味佳き魚」という意味になるそう。
川から海に降りて、再び遡上してくるアユを、「オオアユ」と呼び。
それとは別に、琵琶湖から一歩も離れないで過ごすアユもいるそう。
で、こちらは「コアユ」と呼ばれます。
同じアユを名乗ってはいても、遺伝的にはもうはや、違うんだそう。
琵琶湖のアユは、10万年も前に「オオアユ」とは分かれていたというのも、驚きです。
養殖モノのアユは琵琶湖からやって来るそうですが、そのアユは海に放たれると、もうはや、生きてはいけないカラダになっているのだそう★
そんな・・・アユさんですが。
タンパク質はもちろん、とにかくビタミンが豊富で、AやEはもちろん、まるごと食べてしまうので、カルシウムも豊富です(!)
旬は6~9月といいますが、川を下って産卵する時期の「落ちアユ」は、特に珍重されているんだそうです。
骨粗鬆症や、骨軟化症、ストレス、味覚障害など。
抗ガン作用、老化防止にも効果あり(!)
ただ、ウロコと筋肉に寄生虫がいる場合があるので、生食はどちらかと言えば、避けた方が良いんだそうです。
さて、シソの方にまいりましょう。
ヒマラヤや中国南部が原産だそうで、日本にはやっぱり、中国を通して平安の頃にやって来たという説と、いやいや5000年前には、すでに日本にはあったという説も。
・・・なんでもシソさん、新潟で、2500年前の土器と一緒に出てきた(!)んだそう。
皆さま、ご存知の通り、シソは大きく分けると、赤シソと青シソに。
葉が縮れて赤いのは、縮緬(ちりめん)ジソ、青くて縮れているのを、大葉(おおば)といいますが、古来より、漬物や薬草として用いられたとあります。
葉の部分は、気を通す芳香健胃薬として、食欲増進や毒消し、他の薬と併せて風邪の時の発汗作用にも。
種の方は、咳の症状に使われていました。
1年草で、育てば1メートルほどの大きさに。
シソ話で、面白い処では、
戦国時代の朝鮮出兵の折に加藤清正が、部下の士気を上げる為にと、紫蘇の入った漢方薬「香蘇散」を用いていたなんて話があります★
・・・かの朝鮮出兵は、豊臣秀吉の愚策と言われる事もありますが、知らない土地で、土地の者と交渉を思うようにしたくても言葉も通じず。
はたまた風土も判らず、食糧もなく、それでも武功を挙げるしかなくって、上の者から下の者まで、それはひどいストレスだったと思います。
芳香のある生薬には、こういったウツウツっとした心持ちを紛らわせる(!)のに効果があったとありますが、たしかに紫蘇の香りを嗅ぐと、ほぅっと心がほころびますよね。
あのシソの独特な香りは、ペリルアルデヒドというそうで、これにも胃液の分泌を促しての食欲増進、健胃効果の他、があるとか。
しかも、強い防腐作用があるので、食中毒の予防にも役立ちます。
刺身のツマとか、お飾り的なイメージのあるシソですが、なんと、こんなお役立ち効果もあるんです。
青シソの色素は、シソニンと呼ばれるアントシアンの一種。
ちなみに赤シソは、チアニンという紫紅色の色素で、梅干しの色付けに使われています。
シソは果実はもちろん、葉や茎にも芳香があり、1年草で、成長すれば1メートルほどに。
青シソは1年中スーパーで売っていたりしますが、赤シソの流通時期と同じく、旬は6月から8月辺りまで。
最近では、色々と組み合わせての発汗作用や解熱に咳、利尿効果もある処を処方しての、シソ商品が多くあるとか★
外用薬としては、切り傷の止血に使えるそうで、シソの葉をそのまま傷口に貼ったり、水に浸して、よく揉んだ葉を化膿止めとして貼りつけると良いのだそうです。
そんな・・・シソなんですが。
ベータカロテンに富み、最近ではアレルギーに効果があるとされる「シソの実油」などなど、シソを生かした健康食品も増えてまいりました。
こちらは、アルファーリノレン酸で、体内でIPA(イコサペンタエン酸)に変るため、血液はサラサラになりますし、老化も抑制します。
カロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化を予防します。
以外や以外、けっこうな効能のあるシソですが、はわゆサン的には紫蘇食品といえば、山形県出身の今は亡き父の妹さんが手作りで拵えてくれた「シソ巻」がなつかしいです。
昨今では、スーパーでも取り扱うようになりましたが、今でも元気でお米を送って来て下さるおばさん、嬉しいです。
なかなかメイン処にはなれない感のあるシソですが、愛していこうではありませんか。
アユの栄養と効能
アユの栄養
ビタミンA、D、B12、カルシウム、ほか
アユの効能
骨粗鬆症予防、眼精疲労、肌トラブル防止、疲労回復ほか
シソの栄養と効能
シソの栄養
ビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄分ほか
シソの効能
貧血予防、骨粗鬆症予防、アレルギー予防、食欲増進、抗ガン化作用ほか