ワラビは、シダ植物の一種なんだそう。

原や谷地、原野の日当たりの良い場所にすくすくと育ち、酸性の土壌を好みます。
images・・・ところで、ワラビと並ぶ山菜はといえば、やっぱりゼンマイでしょうか。
同じシダ植物の一種でもあるし、・・・なんとなく見た目が似てるので、ついご同族かと思っていたのですが、決定的に違う点がある(!)というから、驚きです。 (^_^;)

ゼンマイって、胞子で繁殖するだけの植物なので、ちょっといい気になって摘みまくってしまうと、あっという間に絶滅してしまうというのが、難儀な処。
なので日本では、・・・どうも早い時期に、都会や集落近くにお暮らしになっていたゼンマイさんは人々に愛され過ぎて、取り尽されての絶滅種になってしまったのだとか★
なので、お店で見掛けるゼンマイさんは、生鮮食品ではなく、乾燥させての乾物食品のみの扱いであるとか。

それに対しての、我らが今月の旬食材の、ワラビさんです。

DSC02166胞子での繁殖はもちろん地中に長い根を張ります。
それは地下を横に這い伸びて、その茎から伸びる葉は冬になると枯れますが、春にはそちこちから新芽が伸びて来ます。
この根っこが、なんと(!)
救荒作物にもなるそうで、いやはやワラビとゼンマイ、イトコのように煮た山菜だと思っていたのに、その生態がまるで違うので、はわゆサンもビックリ★

・・・そういえば今回、ねんきらレシピでもご紹介をしているワラビ餅なんですが、蕨粉というのは、本当にワラビの根っこから取る粉(!)だったのですね・・・。
なんとなく、山菜なんて、あんまり深く根付くイメージがなかったので、驚く・・・はわゆサンである。 ( ̄_ ̄ i)
ダウンロード-(1)しかも、この根。

他にも使い道があるようで、「根っこを編んでは、にしたり」、はたまた、網にまで編んでみたりも。 (^◇^;)
時には、箒(ほうき)にまで、なったりするのだそうで・・・ワラビさん★
食べるだけではなくって、けっこうに人々の生活に浸透(!)
活躍する場が多かったのだと、この年齢になって、初めて知りました・・・。
あぁ、恐ろしや、ねんきら旬エッセイ。。。

ちなみに、ワラビ粉についてなんですが★

R-0223冬の間に地下茎を掘り、叩きほぐしてから水でさらして製粉へと向かうそうですが、とにかく全てが手作業なもので、10kgの根っこからは、たった70gしか取れないとの事・・・。
今回のレシピでいうなら、4.5人前のワラビ餅にしかなりません。
昨今は名目だけ「わらび粉」となっていても、よくよく見ると実は、サツマイモなんかから取っているデンプンであるそうで、本物だと200gで4,500円のお値段に。
しかも本物のワラビ餅は、冷蔵庫で冷やすと固くなるわ、味が落ちるわ。
賞味期限も短いときた、まるで三重苦というか、とにかく美味しく食べるには大変(!)なレシピである事が伺えます。(-“-)

またワラビには、なんと(!)

・・・毒性があり・・・。
生食をすれば中毒にかかり、調理したモノでもドカ食いをすれば、全身から大量出血状況(!)に陥り、骨髄が破壊されて死に至るとは・・・。
warabiえーーっ、うっそぉ~っ・・・と、叫びたくなるような現実があります。・・・
もっともワラビって、日本では完全に副食扱いなので、そうは大量に食べる事がないので、大事に至らずに済んでいるので、逆に余り知られていたいのだとも・・・うーむ。

山菜の中でも、とくにワラビは灰汁が強い(!)
なので、必ず食べる時にはアク抜きが必要です。 (゜-゜)
やり方は色々あれど、一般的なのはワラビに重曹や木灰をふりかけてから、熱湯をかけ。
新聞紙か、大き目のポリ袋などで落し蓋をして、密封して一晩。
翌日になったら、これをキレイに洗い流してから調理、それでも賞味期限は3日程度なんだそう。

生だと、発がん性のあるプロキロサイドが悪さをしますが★

R-0134アク抜きさえキチンとすれば、悪さの根源も、ジェノンという物質に変身して、大丈夫になるのだとか。
カリウム、カロテン、ビタミンB2やE、パントテン酸や食物繊維を多く含みますが、アク抜きの段階で、これらの栄養素はけっこう、抜けてしまうんだそう。
そして昨今のワラビは、促成栽培や、露地栽培のモノが多いと言います。
・・・色々面倒、困った処もありますが、やはり春の息吹を感じる食材。
愛していってあげたいと思う、食材です。。。

さて、もう1つの旬食材、鮟鱇(アンコウ)に行きましょう。

アンコウといえば、深海魚。
30~500メートル程の深海に生息しているとの事で、てっきり江戸の頃のお方は、お嗜みになれなかったんだろうなぁ、なんて思っていたら、ドンドン(!)
ダウンロード耳に馴染む、四代将軍・綱吉の頃の「江戸町触集成」
つまり例の・・・「初物は、いついつから食べて下さいね、というお触れ書き」には、ワラビはもちろんの事、アンコウさんまでしっかと、その名が刻まれているから、驚きです・・・。 (^▽^;)

ちなみにワラビは、3月から。
アンコウさんは、11月から食べてもいいよ、という御触れです。。。
調べてみると、冬の産卵期になれば、けっこうに浅瀬へ寄ってくる習性であるとか。
・・・いつだか、「何故に深海魚の金目鯛を、江戸人が浮世絵に描いて知っていたのか」なる文献を見ましたが、アンコウですら、こんな時があるんですもの。
絶対に江戸人は、金目鯛だって何処かで、何かで食べて知っていたんだわ・・・と1人確信する・・・はわゆサン(と、林先生★)である。

深海魚な故に謎も多いのか、余り資料が見つかりませんが・・・。

R-0017深海の砂泥上の海底に生息、長いヒレで海底を移動。
擬餌状体という誘引突起でエサを誘い、ふらふらと寄って来た処をパクリとやるというのは、有名。
・・・肉食で口も大きく、しかも唇が上向き。
けっこう、パクパクとエサがいけそうな・・・お顔立ちながら、実は泳ぎがヘタなので、その辺りでは、けっこうに苦労をしている・・・。
そんな・・・お方だとか。 (^^;;

お召し上がりになるのはプランクトンを始め、小魚はもちろん、種類によってはイカや蟹、ウニ!(ぜいたくな・・・)。
大きい種類になれば、海面に寄って来た海鳥までやっちゃうという、割にアクティブ(!)なお方でもある。。。
日本でよく見掛けるのは、キアンコウ。
オスは50センチ程度ですが、メスなら1~1.5メートルほどの大きさにまで成長。
繁殖、産卵時には奥サマは、その旦那さんを召し上がってしまうという、もう、ホントに何でもやっちゃうお方だったんですねぇ、アンコウさん・・・。 ( ̄_ ̄ i)

そんな・・・アンコウさんですが★

とにかく肝が美味しくて、そこが大きく育つのが11月から2月にかけての時節に。
春になると、海水が暖かくなるのか(?)
肝が小さくなるのだそうで、今がまさに旬の時期にあたります。

R-0152その身は、グロテスクな見た目とは違って、白身でヘルシー。
その身にはビタミンB12やナイアシンなどが含まれ、皮には粘膜の維持や貧血予防にも。
対して、あん肝は、脂質が多くて高カロリーなれど、ビタミンAやらDなど含まれ、肌の健康を維持したり、老化防止や目にも良い。

アンコウは、とにかくヌルヌルしているので、まな板の上では捌きにくく・・・。
雪の上で解体をしたり、吊るし斬りをする事で有名なんですが、形の様々な鮟鱇を、キレイに拵える職人さんも、今では少なくなったとか・・・。
こんな文化も、美味しい料理の味と一緒に、後世に伝えていって欲しいと願います。

ワラビの栄養と効能

ワラビの栄養

カリウム、ビタミンB2、E、葉酸、パントテン酸、食物繊維など

ワラビの効能

便秘予防、ほか

アンコウの栄養と効能

アンコウの栄養

(身)タンパク質 (肝)ビタミンA、B12,E,セレン,EPA、DHAなど

アンコウの効能

(身)体力向上、ダイエット (肝)眼精疲労、免疫力向上、貧血予防ほか