先月の挨拶を、見返してみました。

すると、7月も10日も過ぎたらようやく、太陽が拝めた・・・と、ありました。
15.05.25-0012・・・太陽が拝めたと思った途端の、この酷暑は一体、何っ!? (^_^;)
ご無沙汰しております、はわゆでっす!
皆さま、いかがお過ごしですか?

今月の旬食材は、豚肉とインゲンです。
豚肉もインゲンも、この夏を乗り切るパワーを持った旬食材であったと、ようやくに旬エッセイを発表できました。
今月は、6月から手掛けている大量の動画のチェック作業で、毎度のことながら「ねんきら更新」を阻んでくれました。
おほほ、つらいわ~。(^▽^;)

はわゆサンがこの「ねんきらHP」で食材と向き合うようになって、3年目になりました。

ところで、この・・・旬エッセイを書こうと思うようになった切っ掛けなんですが★
yjimage-(1)「せっかく食べ物を扱うHPをやるのなら、レシピはもちろん、食材についても勉強出来たら良いかな~・・・」という思いからでした。
毎日、何気なく食べているモノの栄養や効能、そしてレシピを知ることができるなら、これからの余生が楽しく、健康に暮らせるわ♡
・・・な~んて、お気楽に考えていたんですが★

一応、エッセイを書くからには、素人ながら、正しい事をお伝えせねばとも思う・・・はわゆサンです。
資料も、幾ばくかは揃えました。

一番の基本の資料は、やっぱり学者さんがお纏めになった書物です。

15.05.25-0086ところが、食材によっては、有り余るほどの資料がのっている場合もあれば、全く無かったりと、その辺りが困りものです。
はわゆ蔵書で足りない部分は、もちろんインターネットでも調べます。
ただ、ネットは今一つ信憑性に欠ける場合があるので、たとえば今回の旬食材「インゲン」だったら、3箇所くらいは見て、全体の確認をします。

15.05.25-0180確認をするなら、やっぱり学者さんの発表されている事を基本にしたいです。
なので、電子辞書も使います。
昨今の電子辞書は、複数辞書検索なる機能があり!
広辞苑、明鏡、ブリタニカ、食の医学に俳句、歳時記からも検索ができ、一つの言葉を入れれば、これらの辞書全部に引っかかって検索できるので、けっこうに便利で助かっています。

はわゆサンが勝手に信じて思っていただけで、実は全然違っていたという事も、しばしば★

魚の生態に驚愕したり、タコの知性におののいたり。
名称未設定-1イカの頭が、実はこの部分だったのか・・・と思い知ったり(!)
スーパーで、何気なく見ていた食材が何やら最近、ずい分と身近に感じられるようにも、なりました。

たとえば、アジが丸ごと売っていたりすると、
「あら、これは色が黒いから、瀬付きのじゃなくて、沖合を回遊してるアジだわ」
・・・なんて、思ったり。

15.02.02-58パックでサゴシの切り身が売っていたりすると、
「あぁ、これは鰆の若い頃よね」
・・・なんて、思うようにもなりました。
鰆が出世魚だと知ったのも、「ねんきら」のおかげです。
逆に言えば、この年までよくも、そんな事も知らずに生きて来たなぁ・・・なんて思ってしまいます。(^^;;

食肉文化にしても、「ねんきら」では江戸レシピ、現代レシピと分けて発表をしています。

始めた当初は、お江戸の頃は殆ど、日本人は肉食をしていなかった(!)・・・と、信じていた、はわゆサン★
ところが、調べてドンドン(!)
1106028126お江戸の時代は長くて、約300年ほどにも。
そして、日本は狭いとは言いながら、地域によっては牛肉をよく食べるお土地柄もありました。
・・・また、更に遡れば、織田信長や豊臣秀吉に使えていたキリシタン大名の高山右近は陣中に牛肉を持ち込んでは、牛鍋で英気を養っていたなる史実にも、直面したりしました。

一度に食べる量は少ないけれど、薬としての扱いだったという・・・日本の肉食
彦根藩では、1687年からというと、五代将軍・綱吉の時代から。
牛肉の味噌漬けを養生薬「反本丸(へんぽんがん)」と名付けて、お江戸の将軍家や諸藩に献上していたなる歴史も、知りました。
・・・商品化までしていたというから、驚きです。

「ねんきら」では毎回、お膳のイメージ写真を撮影してますが、一応のポリシーがあります。

15.05.25-0237それは、「お江戸の庶民の食事のイメージにしよう!」
・・・そうは言っても、お江戸の時代は約300年ほど。
頭があれば尻尾もあるしで、はてさて、どの辺りで手を打ってお膳写真を拵えて良いのか・・・・と、毎度頭を悩ませます。

旬食材も、「ねんきら」が回数を重ねれば、全部が全部、お江戸の頃にあった食材でという訳にもいきません。
15.05.25-0240飯嶋先生に、
「お膳の写真の献立が、全部同じ食材で良いんですか?」
と、聞かれる時もありました。
・・・ただ「庶民の食事風景」となると、長屋での食事なら、棒手振りが売りに来るおかずくらいはあっても、そうそうは贅沢な眺めはない筈。
同じ魚で刺身と茶漬け、なんて写真を撮ってもらっては、
「いえいえ、これが庶民の晩餐ですよ」
なんて言って、ほくほくとしていたりなんて時もありました。

今月の旬食材は、豚肉料理でした。

一口に豚肉とは言っても、イノシシを家畜化しての品種改良。
牛や馬だって、今では掛け合わせての時代かと思いますが、14代将軍・家茂の時代(とはいっても、たったの7年)には、お江戸にイノシシやブタ、シカの煮込みを食べさせる店が増えていき。
kaika庶民に人気があったのか、横浜には牛鍋店が出現しました(!)

この牛鍋店、評判が良かったのか、どんどんと増えていきました。
・・・それまで、禁じられていた食べ物でしたから、珍しモノ好きの江戸っ子なんか、こぞって食べに行ったものでしょうか。

明治7年にもなると、店に上・中・下の等級までも、出て来たとか。
・・・なんでも、店先に旗を掲げているのが、上級点。
中級だと提灯で、下級は特に書かれていないので、何も掲げていなかったのか。
明治9年には、「牛肉を好む者が増えて、屠殺場が多忙になった(!)」なる記事も出るように★

大正5年になると、東京帝国大学の教授が、「田中式豚肉調理法」なる書物を刊行(!)

牛肉の代用食としての、豚肉の効能を説きます。
・・・日本人にとっては豚より、牛の方が歴史が長い分、庶民はこぞって食べたかったのかもしれませんねぇ。(^_^;)

hamu豚肉の加工品にも、日本人は果敢に挑戦をしていくんですが、アメリカ人のベンスニさんから習って、初めてハム工場を作ったのが片岡伊右衛門さん。
その地は、長崎だったそうです。

その後、ぼつぼつとハム・ソーセージ工場が出来ていくんですが、明治の頃はこの長崎と北海道、神奈川が三大産地になりました。
神奈川の鎌倉ハムは、今も有名ですよね。

その内、第一次世界大戦も始まり、日本はどんどんと軍国化していきます。

調べていて、ちょっと悲しかったのが、大正11(1922)年。
大戦が終り、日本には本格的なハムやソーセージが輸入されて来ました。
lgi01a201408171400その味を知ってか、明治屋が政府の勧めを受けて、ドイツ人捕虜から豚肉の加工技術を習得。
この技術をもとに、明治食糧株式会社を設立します。

ハムやベーコン、ソーセージの販売を始めたんだそうですが、なんか・・・。
ニッカウヰスキーのマッサンじゃないけど、、、
ご時世で、どうにもならなかったのかも知れないけど、「ドイツで修行をして・・・」なんて下りが欲しかったです。

日本の平和を、噛みしめる8月です。
食材が溢れる日本、・・・収入がどうとか、悩む事も色々にありますが、安心してご飯が食べられるのは、日本が平和だからだと思います。
手を合わせて、感謝の気持ちで、この夏を乗り切りたいです。