日本最古の歴史書である「古事記」にも、その名前があるという大豆。
今回のメイン食材の枝豆は、その大豆が未熟なうちに茎ごと切り取って収穫したもの。さやのまま茹でて食用にする他、育った豆はそのままはもちろん、かて飯として米に混ぜて食べたり、豆腐や湯葉、雪花菜(きらず…おからの事)にしたり。マメ科の植物はとにかく、肥料が乏しくてもよく育つとあります。
そんな大豆は、原産地が満州らしく。日本には弥生時代くらいに、朝鮮経由で入ったと言われているし、古事記には食物神が産み出した五穀にも、その名前があります。
また豆の種類は、3種類あります。
シロマメは、よくスーパーで見かける「ふじっこのお豆さん」などの商標で、昆布なんかと混ぜてオカズの煮豆として売られているタイプ。この方はまた、味噌になったり醤油になったりで大活躍。納豆や豆腐にもなるので、私的には一番お世話になっているお方です。
またクロマメは、日本のお正月に食べるご馳走、「お節」にも入っている、マメで達者を祈る「黒豆」。マメとしても味が良いそうで、煮豆によくするとあります。
その他、アオマメは色がキレイなので、豆粉やお菓子に使われるらしい。仙台藩祖・伊達正宗が考案したとも言われるアオマメ使用の「ずんだ餅」は、有名ですよね。アオマメ、つまり枝豆を潰して作る「あんころ餅」です。
弥生時代に伝来した大豆も、調味料になるまでには、ずんぶんと年季が必要だったみたいです。
平安や鎌倉時代までは、食品につけたり、そのまま食べるモノだったみたい。
今もそのまま食べる味噌は、「嘗(なめ)味噌」として怪山寺(きんさんじ)味噌が醸造系で。何かを加えて加工した例えば、鯛味噌、鉄火味噌なんかは混合味噌というらしい。
そのまま食べてたのが、調味料になるのは室町時代。
日元貿易と日明貿易が日本にもたらしたモノは、とても大きかったんだそう。前者がモンゴルで、後者が中国の明。江戸時代には多くの調理法が工夫されて、和食が集大成される事になったのだそうですが、その基本的な食材は、室町辺りで揃ったとあります。
また「語学と儒教を武器」にして、その当時に禅僧が多く留学をしたそうですが、食材はもちろん、調理法までも、多くかの地より持ち返ったのだとか。
私的には、日本で一番古くからあると言われる武術の流派の香取神道流もこの時代に創始されていたので、なんだか室町っていやすごい、やるなと今回、改めて思いました。(^_^;)
・・・さて。
これらの大豆がまた、味噌から醤油になるまでは長の歳月が必要になる訳ですが、農家などでは、家で作る事が多いそうです。基本的に、大豆と塩と麹(他に米や麦とか)で発酵させて作るモノですから、環境が整えばどこでも作れるハズとは思います。
・・・でも、戦国時代辺りまでは、味噌の原料になる大豆が、軍馬の飼料として優先的に使われており・・・。
それがまずは、徳川家康が天下を泰平にして、それから江戸が泰平な世の中になり、大豆の生産量が増え、街道とか整備もされて、それから市中に出回るようにもなって。
・・・長い歳月をかけようやく、やっとの思いで『味噌汁』が庶民の食卓にお目見えできた訳ですよねぇ・・・。(T_T)
江戸の庶民は、農家と違って長屋住まいですから台所も狭く、とても味噌を仕込むスペースなんか、長屋にはありません。…お店屋さんで買うしか、ないんですよねぇ。(゜-゜)
「御御御汁(おみおつけ)」と読んで賞味された、お味噌汁。・・・それは、この時代の庶民の「スーパーヒーローレシピ」だった・・・。
美味しいモノを食べたいと思えば、まず平和から。この一点に始るのだなぁと、しみじみと感じた・・・大豆への旅でした。
枝豆の栄養と効能
おもな栄養成分
タンパク質、カリウム、ビタミンB1、葉酸、食物繊維、鉄分、カルシウム、メチオニン、大豆イソフラボンなど
おもな効能
高血圧予防 心筋梗塞予防 脳梗塞予防 動脈硬化予防 便秘予防 貧血予防、二日酔い予防、更年期障害抑制 骨粗鬆症予防など