カツオは、「魚偏に、堅(かた)い」という文字を当てるのが、今では一般的でしょうか。
よく、お寿司屋さんの湯呑に、たくさんの魚の名前が書かれてますよね。
あそこにも「鰹」とありますが、その他にも昔は「松魚(かつお)」とか。
古くは、「堅魚(かたうお、とも)」という文字を当てたりしたそうです。
カツオは硬骨魚で、スズキ目は、サバ科の海水魚。
春から秋にかけては黒潮に乗って、太平洋岸を威勢良く、ぐぐっと北上(!)
相模灘に差し掛かるのが丁度、青葉の頃なので、
「目に青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」
・・・なんてお江戸の頃の俳句も、その様子を詠んだモノのようです。
カツオが産卵するのは、日本では春の1回だけ。
ところが、赤道の辺りに棲んでいるのは、周年なのだそう。 (^_^;)
大型のモノは、1メートル程にまでも生長。
体重が18キロ程になるそうですが、漁獲されるのは50センチ程度のモノが多いそう。
体は紡錘(ぼうすい)形で、尾ヒレ以外のヒレは小さく。
・・・そして、はわゆサン★
「魚のウロコは、全身にある(!)」と思ってずっと信じていたんですが、カツオさんの場合はなんと(!)
目の後ろから、胸ヒレにかけてと、側線の辺りにだけ(!)
・・・側線って、魚にとっては「身体の両側に並んでいる線状の感覚器で、これで水流や水圧を感知する」そうですが、まぁまぁ、ウロコ一つとってもホントに様々なんだなぁと、しきりに関心をしたもんです。 (^^;;
カツオは、基本的には熱帯や温帯海域に多く生息。
なので、日本では太平洋側に多く棲んでいますが、日本海側ではまれだとか。
・・・そういえば、鰹漁の基地も、鹿児島県の枕崎や高知、千葉は勝浦や、北は三陸沖とかですよね。
摂氏19~23度くらいの温かい海が好きで、日本近海だと黒潮に乗って、春には北上。
秋の頃に三陸まで行って、そこから今度はUターンして、南下するんだそうです。
・・・寒い処は、苦手なんですね、カツオさん。 (^_^;)
なので、初鰹と呼ばれる5月の頃のカツオは味も若くて、さっぱりしてますが、秋にもなれば今度は、お腹に太い脂の層を巻いて育っているので、こってりとした味わいに。
こちらは、皆さんご存知の通り、「戻り鰹」と呼ばれます。
現代では、鰹は2~3月には、沖縄の八重山とか宮古の辺りに現れ。
7~8月頃には、三陸沖まで移動をしていきます。
漁法としてはもちろん網もありますが、土佐の一本釣りは、超(!)有名ですよね。
カツオは肉食で、食欲は旺盛。
産まれたばかりに食べるのはもちろん、プランクトン。
ですが、ちょっと大きくなってくると今度は、小魚はもちろん、甲殻類や頭足類(アンモナイトや、オウム貝の類★)などなど、積極的に召し上がって大きくなります。
また、流木やクジラ、ジンベイザメの周りに群がる性質もあるそう。
・・・これは、カツオが身を守る為であるとか、はたまたカツオが集めた鰯を、こういった方々が召し上がるからだとか、所説あるそうですが、猟師さんはこれを目印にカツオ群を見付けるんだそうです。 (^^;;
ところで「江戸の頃には、初物フィーバーがあった」事は、皆さん、ご存知ですよね。
特に江戸っ子は、カツオをとっても好んでいたのは有名ですが、これも鎌倉時代の辺りまで遡ると、
「カツオは、食べ過ぎると身体に、瘡(できもの)が出来る」
と言って、嫌われていたみたいです。(゜-゜)
今でもカツオは、お寿司屋さんでは「足が速い(鮮度が落ちやすい、腐りやすい)」とかで、余り扱いたくないと仰るお店も★
鮮度が落ちてしまうと、ヒスチヂン(という名の、赤身の魚が持つというビタミン★)が、魚に付着しているバクテリアと合体(!)
力を合わせて、かの有名なアレルギー物質ヒスタミンへと、変っていきます。
・・・これは花粉の季節に、さかんにテレビでお医者さんやら、薬屋さんが叫んでいる、アレですね。 (T ^ T)
食べればアレルギーを発症、蕁麻疹やら、中には吐き気を起こしたり、むくんだりする人も★
・・・今も昔も、5月になればカツオは、相模灘というか、鎌倉沖にまでやってきます。
現代は冷凍技術も進みましたが、鎌倉以前の頃なら、鎌倉から江戸まで持ってくる間に、カツオはけっこうにヤバかったかも★
・・・ところが調べてみると、冷凍されている間もこのヒスチヂンは、バクテリアと融合、合体を繰り返しているんだとか。
長引けばどんどんとヒスタミンが増えてしまうので、昔も今も「カツオは獲れたら、イキが良い内に即食べが鉄則」のようです。 ( ̄_ ̄ i)
カツオは刺身はもちろん、煮漬けで食べたりもしますが、漁獲されたモノで一番多く使われるのは、やっぱり鰹節かと思います。
今や和食は文化遺産、鰹節の需要ももはや、世界的規模では???
・・・この鰹節、日本独特の食品と言われていますが、その歴史はとにかく古くて、日本最古の歴史書である「古事記」にもその名が見えるとか★
当時の鰹節は、だし汁というよりは、保存食としての価値が高くて、戦国の世の兵士の重要な食料でもあったそう。
カツオを煮て、ただ干しただけだった鰹節が、今のような黴(かび)付法の鰹節になったのは、四代将軍・家綱の頃。
1674年に、紀伊の甚太郎さんが土佐浦にて、燻乾法による鰹節の製造を始めたと、はわゆ蔵書にあります。
また、カツオの内臓で作る塩辛を、「酒盗(しゅとう)」と言いますよね。
4~5キロのカツオだと、50gくらいの内臓が取れます。
これを猟師さんや加工業者が塩辛にしたそうで、なのでご家庭では余り、作られる事はないとか。
時の土佐は、十二代の殿様だった山内豊資がこれを食し、
「いやまぁ、これを食べたらまた、酒がいくらも呑めるなぁ~」
・・・と呟いた事から、この名が付いたとも★ (〃∇〃)
こんな・・・カツオさんですが、さすがは赤身の魚、体の1/4がタンパク質(!)
このタンパク質の旨味は、かの有名なイノシン酸です。
また、脊髄に近い血合部分には、ビタミンB12やらナイアシン、鉄分やタウリンを多く含んでいるのでそれを食べれば、貧血予防にも。
また皮の部分には、人には必要な、でも決して体内では作れないアミノ酸のリジンが含まれているので、銀皮造り(カツオの皮付きの、生のお刺身)は、理にかなっているんだそうです。
気になる脂もDHAやEPAで、生活習慣病予防にも効果あり(!)
脳神経の働きもビタミンが助け、血行は良くするし、含まれるビタミンDは骨粗鬆症にも効き目があります。
どんな調理法でも美味しく食べられるカツオさんは、食卓には是非にも取り上げて行きたいお方です。
さて、空豆の方にまいりましょう。
莢が空に向かって真っ直ぐに伸びることから、この名が付けられたと言われている空豆ですが、大きめの莢なら、その中身は2~4個ほど。
・・・ホントに、高価な割には、莢ばっかりで中身が少ないとは、亡くなった・・・はわゆママの繰り言でした。 (^^;;
店頭に並んでいるのは、豆がまだ未熟なうちに出荷されたモノです。
豆が完熟すれば今度は、種実用として乾燥をさせての、おたふく豆やら、煮豆へと加工されます。
食べ慣れたお惣菜へと進化する訳ですが、日本には安土・桃山の頃に中国を通してやって来たようです。
ただ在来種は、写真のモノより小粒だったそうで、なので中の豆を食べるというよりも、当時はサヤエンドウの空豆バージョンで日本には馴染んでいったようです。
豆の熟れ方がちょうどいいのは、ホントにたった3日程なんだとか★
そんな・・・息の短い空豆も、今ではビニールハウスなどの技術の発達と共に、楽しめる期間も伸びました。
土地土地によっては呼び名も変ったり、使われる文字も「胡豆」を使ったり、莢の内側が蚕の繭に似ているから「蚕豆」と書いて、空豆と読んだり。
居酒屋なんかでは、天豆と書く処も。
伝わるのは遅かったけれども、普及するのは早かったという空豆ですが、関東から北では寒くてムリ。
小粒種と大粒種が今もあって、大粒のイッスンソラマメ(スーパーなどで、よく見掛けるサヤ付きのモノ★)は、大阪は河内の名産品。
逆に炒って「はじき豆」にする小粒種は、お江戸の六代将軍・家宣の頃に生きていた貝原益軒という人が書いた「大和本草(1709年」にも、奈良県は大和や河内の辺りでは、これを朝の茶粥に入れて嗜むと書かれています。
・・・この書物は、多くの和漢の薬草や食べ物などの名前はもちろん、来歴や形状、効能までを紹介している書物なんだそうです。
一升辺りに、大粒だったら380粒。
小粒なら850粒に相当するという、空豆。
秋に種を蒔いて、3~4月に花を咲かせたら、収獲は5月くらいから。
50センチ程まで育つそうですが、実のなっている様子は、なんとも元気なお姿ですよね。(^-^)
10~30センチ程の莢に育ち、2~4個くらいの実を付けるそう。
煮豆の商標は、大粒なら「お多福豆」で、小粒なら「富貴豆」。
西洋では主食扱いの空豆ですが、日本では米が主食、なのでオカズ扱いに。
完熟、未熟な内に楽しむのはもちろん、若ければ莢ごとでも楽しみます。
そんな・・・空豆さんですが、とにかく食物繊維が豊富な事は請け合い(!)
含まれるレシチンは、血液中のコレステロールを減らしたり、脳細胞までも活性化。
カリウムは高血圧予防に、貧血予防に効果のある葉酸も多く含んでいます。
HPなどで見ると、「塩茹でして、どうぞ」と良く書かれてますが、莢ごと焼いた方が絶品です(!)
ぜひぜひ、お試しください。
カツオの栄養と効能
カツオの栄養
タンパク質、ビタミンB12、ナイアシン、鉄、タウリン、DHA、EPAなど
カツオの効能
生活習慣病予防、疲労回復、肝機能強化、眼精疲労緩和、ほか
空豆の栄養と効能
空豆の栄養
食物繊維、葉酸、レシチン、カリウムなど
空豆の効能
生活習慣病予防、便秘予防、貧血予防、ほか